リニア新幹線はつくらせない!

〜ストップ・リニア!訴訟1周年記念シンポジウム〜







 絶対にリニア新幹線はつくらせない!──。このスローガンのもと、「ストップ・リニア!訴訟1周年記念シンポジウム」が6月23日に衆議院第一議員会館で開かれた。180人が参加した。
 最初に、ジャーナリストの斎藤貴男さんが「暴走するリニア新幹線」というテーマで基調講演をした。斎藤さんはこうのべた。
     「全国紙やテレビで、リニア報道がほとんどないのは異常だ。それは大手メディアが広告収入を得るため、スポンサーの意向を忖(そん)度(たく)しているからではないのか。財界は日本の少子高齢化による内需減少を見越し、原発やリニアなどのインフラ輸出の外需拡大により利益を得るつもりだ。リニアの稼働ピーク時の電力消費量は新幹線の40倍ともいわれる。したがって、原発の再稼働・新設が必須となる。リニア建設を許すことは、99%の人間がただひたすら1%の支配層・富裕層のために奉仕する社会になることを意味する。今や、一人ひとりの生き方が問われている」
 このあとパネルディスカッションが行われた。こんな発言があった。
     「リニアは、全国新幹線整備法というザル法にもとづき、環境影響評価をきちんとせずに認可されている」(訴訟弁護団の関島保雄共同代表)。
     「裁判所と国が一体になっているので、行政訴訟はほとんど勝ち目がない。行政訴訟にこそ裁判員制度を導入するなど、司法制度のしくみを変える運動が必要になっている。理論だけではむずかしい」(五十嵐敬喜弁護士)
 さまざまなリスクが国民に知らされることなく、リニアの工事が着々と進められている。2016年には安倍首相が突然、JR東海に3兆円の財政支援を表明した。
 主権者の多くが無関心でいる間に、リニアは原発と同じ道をたどっている。そして、リニア建設は破滅に向かっている。そんな思いを強くした。
(文・写真/田原廣美)





ストップ・リニア!訴訟の提訴1周年を記念して開かれたシンポジウム
=2017年6月23日、衆議院第一議員会館





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