ストップ! リニア

〜沿線住民250人が山梨で集会〜







 「ストップ!リニア 山梨大会」と銘打った集会が(2014年)9月13日、山梨県甲斐市で開かれました。主催は、山梨県内のリニア計画沿線住民らでつくる「9・13ストップ!リニア 山梨大会」準備室です。東京から名古屋までのリニア計画沿線住民が250人参加しました。

 ジャーナリストの斎藤貴男さんが「安倍政権と原発・リニア」と題して講演しました。
 斎藤さんは、トンネル工事で発生する膨大な量の残土や自然破壊、財政などを具体的にあげ、「リニアはデメリットが多く、メリットが少ない」と断言しました。また、リニアは原子力立国計画とつながっていることや、安倍政権がリニアと原発のセット輸出を国策として推進していることなどを話しました。

 講演のあとは沿線各地からの報告です。東京、神奈川、山梨、長野、静岡、岐阜の各都県でリニア計画の凍結・中止を求めて活動している住民団体の代表や議員など14人が登壇し、各地の動きや活動などを報告しました。

 最後は大会宣言の提案です。「一部の人や企業の利権のために、住民の怒りと不安を顧みないリニア中央新幹線事業着工は見直すべき」などとする宣言を採択しました。



  • 斎藤貴男さんの講演(要旨)はこちら



大会宣言




「ストップ!リニア 山梨大会」宣言


 国土交通省は、この秋に「リニア中央新幹線」の着工認可をJR東海に下そうとしています。私たちは「反対」の意思表示をするために本大会を開きました。

 まず環境アセスメントですが、JR東海はこれまで、リニア建設による自然破壊や環境保護に関する住民の疑問・不安などに対し、ずっと回答をあいまいにしてきました。環境影響評価に関する説明会をおこなっていますが、「工事着工前に沿線住民に対して納得できる説明をする」との約束を果たしていません。何も有効な解決策がないまま、工事を着工させることだけを主眼に動いてきたのです。

 山梨県のリニア推進根拠として、甲府市大津駅一日当たりの降客数は1万2300人とされています。しかし、その試算基準も非常に稚拙でとても信用できません。JR東海自身が「リニアは絶対ペイしない」と言っていることと合わせ、将来の世代に借金の付けを回すことは明白です。

 さらにまた、住民の代表であるべき議員の多くが「リニア建設促進期成同盟」に組み込まれています。これまで議会の場で「リニア中央新幹線」について学習・議論をしてこなかったことが大きな問題です。そして県民の合意がないままに、すでに巨額の税金がつぎ込まれています。例えば「都留リニア見学センター」の建設費約16億円及び運営費も県費で賄われています。

 「リニア中央新幹線」は沿線住民の人たちの平穏な生活とくらしを脅かし、地域を分断するものです。絶対に止めさせなければなりません。リニアは百害あって一利なしです。

 子どもたちに残すべき未来は、一握りの人に利用される「金儲けのための技術」ではなく、「自然と人を敬う心」ではないでしょうか。あらゆる環境とそこに生きるいのちを壊し、高速性・利便性だけを求めてきた今までの生き方を、私たちは今こそ見直さなければなりません。そして、私たちの身近に起こっている問題は、実は他人の問題ではなく自分たち自身の問題であることを認識しましょう。

 私たちは、一部の人や企業の利権のために住民の怒りと不安を顧みない「リニア中央新幹線」事業着工は見直すべきと考えます。そして、国、JR東海に対して事業の凍結・中止を求めて行動します。住民一人一人が大切にされ、犠牲を強要されることのない社会を創るために努力をしていきます。
 以上を私たちは、ここに宣言します。

 2014年9月13日
「ストップ!リニア山梨大会」参加者―同








250人が参加した「ストップ!リニア 山梨大会」



ジャーナリストの斎藤貴男さん





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