「いのちのバトン」を未来へ渡せますか
〜埼玉・新座市で映画上映と講演会〜
「見て聴いて考えよう! 原発と暮らし」と題した映画上映と講演会が(2013年)5月19日、埼玉県の新座市で開かれた。主催は市民がよびかけてつくった実行委員会である。参加者は100人。
福島と六ヶ所が問いかけるもの
映画は島田恵(けい)監督が制作した「福島 六ヶ所 未来への伝言」である。あらすじはこうだ。
《福島第一原発から5キロに住んでいた大熊町の田辺さん一家は、避難先の東京で第2子を出産。ふるさとに願いを込め「福ちゃん」と名づけた。郡山市で14代続く有機農業家の中村さん一家は、放射能による影響に苦しみながら、田植えをし稲を刈る。東京に住む河原愛美さんは、子供の食べ物に気を使いながら、核燃施設のある故郷の青森県六ヶ所村を憂う。六ヶ所村泊(とまり)で漁業を営む滝口さん一家は、青森県太平洋沖のマダラから基準値以上のセシウムが検出されたため、獲った魚を海に捨てる。福島と六ヶ所をつなぐもの──。原子力施設を抱える地域で暮らす人々の生活と苦悩を通し、放射能という「負の遺産」をこれ以上増やし続けることの責任を問う。》
島田監督が初めて手がけた作品である。原発や核燃料施設に翻弄(ほんろう)される人たちの姿がリアルに描かれている。原子力施設がいかに多くの人を苦しめているか、そして地域をメチャクチャにしているかが、よくわかる。この映画をみると、原子力施設はすべて廃絶させなければならないと誰もが感じるだろう。
映画のあとは、島田監督と富山洋子さん(元日本消費者連盟代表運営委員)の講演と質疑である。参加者から数多くお質問が寄せられ、二人がていねいに答えてくれた。映画上映と講演会のあとは、二人を囲んで交流会も開かれた。
たいへん中身の濃いイベントで、好評であった。
島田恵監督の話に聞き入る参加者
島田恵監督と富山洋子さん
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