辺野古埋め立て許すまじ

〜瀬戸内海・奄美大島などから大量の土砂搬入〜







 安倍政権は沖縄県知事選や衆院選で示された沖縄県民の民意を無視し、名護市の辺野古の海を埋め立てて米軍新基地を強引に建設しようとしています。


沖縄県外から大量の土砂搬入

 埋め立てに用いる土砂は沖縄県外からも持ち込まれます。防衛省沖縄防衛局が2013年3月に提出した埋め立て申請書には、土砂の大半を占める岩ズリ(岩をくだいたもの)の調達先として、沖縄に加え九州・瀬戸内の7地区・13カ所の採石場が記載されています。九州では奄美大島や天草など、瀬戸内では小豆島(香川県)や黒髪島(山口県)などです。

 埋め立て申請書によれば、東京ドーム17個分にあたる2062万m3の土砂で辺野古の海を埋め立てます。構成比は岩ズリ79.7%、山土17.5%、海砂2.8%です。山土と海砂は沖縄本島と近海から、岩ズリは半分程度が県外から搬入されるとみられます。沿岸の埋め立て工事で遠方からこれだけ大量の土砂を調達するのは異例です。

 そこで、「環瀬戸内海会議」と「自然と文化を守る奄美会議」は2015年2月6日、環境省と防衛省にたいし、瀬戸内海の島しょ部や奄美群島などから土砂を採取・搬出しないよう申し入れました。
 申入書はこう訴えています。
     「辺野古基地建設のための土砂の奄美群島・瀬戸内海圏域からの採取・搬出は、持ち去られる側にあっては人為では復元不可能な自然破壊・景観破壊、そして所によっては採取地拡大に伴う地域住民の生命の危険、健康被害をもたらし、持ち込まれる辺野古にあっても埋め立てによる環境破壊・生態系破壊がもたらされることは必定です」


へっぴり腰の環境省

 2015年4月16日は、日本自然保護協会が辺野古埋め立て問題で環境省にヒアリングしました。会場は衆議院第一議員会館の大会議室です。約50人が参加しました。環境省からは関係部局の職員8人が出席です。協会が事前に提出した30項目について環境省が答えました。
 環境省の答弁はへっぴり腰です。辺野古の海の環境保全策については「事業者である防衛省がおこなうべきもの」、サンゴ類や海草などの生物の移植については「すべての生物を移植させることは困難」「できることをできる範囲で移植するしかない」というぐあいです。

 また埋め立て用土砂の採取・搬入については、「辺野古の埋め立てに用いる土砂の採取は、事業者(防衛省)自らが採取するものではないので、環境影響評価の対象にならない。防衛省がそのように説明している」。大量の土砂を気候帯の異なる場所から運び入れることによる外来種問題については、「すべての物流によるリスクを抑えることは現実的でない」「土砂混入の危険性が高いとされるアルゼンチンアリについて、環境省として技術的なアドバイスをすることは可能である」といった調子です。

 環境省の職員8人は、顔を撮られないようにと、参加者に背を向けて座りました。参加者はまったく発言できません。終始逃げ腰の環境省ペースで進んだヒアリングでした。




沖縄・辺野古基地建設の埋め立て用土砂の採取・搬出反対
を防衛省に申し入れる「環瀬戸内海会議」と「自然と文化
を守る奄美会議」の人たち=2月6日、防衛省で





日本自然保護協会による辺野古埋め立て問題の環境省ヒアリング。
中央の8人は参加者に背を向けて座った環境省職員。参加者はまっ
たく発言できなかった=4月14日、衆議院第一議員会館大会議室










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