怒りを権力に知らせよう

〜元宇宙飛行士・秋山豊寛さんのスピーチ〜







 「福島を忘れるな! 再稼働許さない!」と題した反原発統一行動が2015年3月8日、東京の霞が関や国会集会でおこなわれました。日比谷野外音楽堂での集会では、元宇宙飛行士で、福島県から避難した秋山豊寛さん(京都造形芸術大教授)もゲストとして参加し、「私たちは大事なところに立ち会っています。ここで踏ん張らないと、子孫への責任を果たせません」「沖縄の人たちと同じようにがんばろうではありませんか。全国の怒りをきょう爆発させましょう」と訴えました。
 以下は、秋山さんのスピーチの要旨です。



スピーチ



怒りを権力に知らせよう

〜秋山豊寛さんのスピーチ(要旨)〜

 私は原発難民のひとりです。原発によって被曝した者のひとりです。原発によって住んでいるところを追われた者のひとりです。

 安倍内閣という、じつにあやしげな政府が私たちのうえにのしかかっています。原発だけではありません。たとえば残業ゼロは労働者にとって基本的に大事な部分です。それをなくそうという動きが進んでいます。TPPを先取りしようとする動きもあります。農薬などの安全基準を緩和しようとする動きです。このように、さまざまな部分で安倍内閣は最低の内閣となっています。

 彼らはおびえています。おびえているからこそ、○○新聞の偉そうな人を機密保護法に関するいちばんの監督者みたいなところに据えました。そして、政府のいやがることやマスコミが伝えようとすることを封じ込めようとする。そういう策動をやめようとしません。そのことによって、多くの人たちが耳や目をふさがれようとしています。

 日本国憲法が制定されて以降、その憲法のもとに私たちはさまざまな権利を守ってきました。ところが、憲法を骨抜きにしようという動きが自民党と公明党の間で進められています。さらに、あらゆる共同性を破壊する新自由主義の考え方を展開しようとしています。新自由主義というのは、一人ひとりをバラバラにすることです。善良で素直でかわいい消費者を生み出すのが新自由主義です。「一人は万人のために、万人は一人のために」という協同の精神をぶちこわしたいのが、いまの政府です。

 きょうここに集まった方々、この会場をとりまいている方々、これは日本の宝です。僕らは宝です。僕らががんばらなくて誰ががんばるのでしょうか。

 ほんとうは怒っているが、具体的にどうすればいいのかわからない。そういう人がたくさんいます。怒っているなら、デモに参加したほうがいい。しかし、デモは危険なことと思っている人たちが多い。とくに、若い人たちはそうです。

 私たちが意思を直接表示する行動がデモンストレーションであり、集会です。こういう集会を全国津々浦々で積み重ねていきましょう。そのことによって、私たちの怒りがどんなものか。それを権力に知らしめようではありませんか。

 原発を再稼働させ、海外で戦争を始める。私たちはいま、そういう直前にいます。歴史の転換というと、学者の寝言のように聞こえるかもしれませんが、私たちは大事なところに立ち会っています。ここで踏ん張らないと、子孫への責任が果たせません。

 私は、いまいちばん頑張っているのは沖縄の人たちだと思っています。沖縄の人たちと同じようにがんばろうではありませんか。全国の怒りをきょう爆発させましょう。




元宇宙飛行士・秋山豊寛さん






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