日光で交流会
〜全国自然保護連合〜
全国自然保護連合は(2014年)4月の12日と13日、日光市の民宿しんこう苑(日光杉並木ユースホステル)で総会と交流会を開きました。
」
44年目を迎える「日光の自然を守る会」
最初は「日光の自然を守る会」の高村文夫代表による講演です。高村代表は、「日光の自然を守る会の運動を振り返る」と題し、日光国立公園の概要と「守る会」の運動史を話しました。
「守る会」の発足は1970年6月6日です。以来44年にわたり、日光の自然を守るためにさまざまな運動を繰り広げてきました。奥日光外山沢奥の原生林伐採や国立公園内の自動車乗り入れ、日光バイパス(日光宇都宮道路=日光道)、奥鬼怒スーパー林道、ゴルフ場などの建設をやめさせる運動です。外来植物オオハンゴンソウの除去や中禅寺湖・湯ノ湖の汚染対策、県自然保護条例の制定などにもとりくみました。
高村代表は、最後にこう述べました。
「『守る会』はあと数年で創立50周年を迎える。日光でなにか問題が起こると、自然保護団体の代表的存在ということで行政から『守る会』に連絡がある。だから今後も『守る会』を存続させていきたい」
1944haの原生林を買い取って保全
次に、一般財団法人日本熊森協会の森山まり子会長が協会の活動を話してくれました。
戦後の国策によって奥山の広葉樹の森は次々と伐採され、スギなどの針葉樹の人工林に変えられてしまいました。人工林のうち7割は放置されて荒廃です。奥山にいた動物たちは食べ物がなくなり、人里に現れるようになりました。その結果、野生生物と人のトラブルが全国各地で起きています。クマはどんどん殺されてしまいます。
森山会長は、「このままでは日本のクマは滅びる」と危機感をつのらせました。その対策を行政や研究者などに要請しました。しかし、まったく頼りになりません。「自然を守るのは行政でも研究者でもない。自然保護団体しかない」ということを確信したそうです。そこで、1997年に日本熊森協会を設立しました。
協会は、昔のように動物と人がすみ分けて共存できるよう、奥山に広葉樹の自然の森を再生することをめざして活動しています。
そのひとつはナショナルトラストです。奥山水源域の原生林を買い取って手付かずで保全する活動です。これまでに全国で計1944haの原生林を買い取り、保全しているそうです。
このほか、人工林を間伐して豊かな森を再生することや、森と動物の危機的な現状などを子どもたちに分かりやすく伝えるための環境教育などにとりくんでいます。
森山会長は、そんな活動を話してくれました。協会は「国(政府)からは1円ももらわない」の姿勢を貫いているそうです。「行政からカネをもらっている団体は、行政の前に行くと黙ってしまう」という実態を見てきたからです。日本熊森協会の会員は2万人とのことです。これには驚きました。
夜は懇親会です。翌日は日光杉並木を見学したあと、ゴルフ場に設置された太陽光発電施設を見学しました。
日光で開いた交流会
ゴルフ場に設置された太陽光発電施設を見学
★関連ページ
- 森を残し、全生物と共存しなければ人間も生き残れない(森山まり子、2014/12)
- 森と生きものと水を考える〜第7回くまもり東京シンポジウム(2014/12/7)
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