自然を破壊し、住家の真下に大トンネルを掘る
リニアは必要ない!
〜リニア沿線住民ネットが山梨実験線走行試験に抗議行動〜
リニア新幹線沿線住民ネットワーク 共同代表 天野捷一
JR東海は2013年8月29日、リニア山梨実験線で走行試験再開を強行しました。
当日午前、山梨県立リニア見学センターで、太田昭宏国交大臣や各県知事も出席して出発式が行われました。午前中は来賓、午後は報道陣が試乗して、時速500キロを体験しました。JR東海の葛西敬之会長は出発式で「21世紀の新しい超高速輸送をリードするリニアが走りはじめることは、世界の交通技術史上に記念すべき足跡を残す出来事」と述べました。
私たちリニア新幹線沿線住民ネットワークは、岐阜、山梨、川崎、神奈川などから約50人が県立センター前に結集し、集会を開いた後、見学センター構内に入り、「走行試験再開反対!」「南アルプスにトンネルを掘るな!」「勝手に大深度トンネルを掘るな!」など、リニア新幹線計画の凍結・再検証を声高く訴えました。
巨額の建設費、膨大な消費電力、財産権侵害…
〜マス・メディアが報道しないリニアの問題点〜
リニア実験線走行試験再開には100人以上の取材陣が招かれ、JR東海社員の案内で見学センターに入り、出発式の模様を取材しました。午後は、営業用に開発したというリニアの新車両に試乗。新聞は29日の夕刊や翌30日の朝刊で記者の試乗記などを掲載、テレビ各局は夕方や夜のワイドニュースでリニア走行の模様を放映しました。そのほとんどは、JR東海の広報発表をもとに、「地上に出る計7.3キロの区間では甲府盆地に連なる峰の眺望が楽しめた」(30日Y紙)や「(地元のリニアを見たいという声を受けて)少しでも見えるようにした方がいいですね」(29日夜NHKワイドニュース)など、完成後は全く外が見えない、外から見えないリニアの実態を理解していない記事やコメントが目立ちました。
私たちの抗議行動は、多くの記者やTVクルーが目にしているにも関わらず、東京に本社を置くメディアは無視しました。そして、研究者や市民から指摘されている、9兆円ものリニア建設費や東海道新幹線の3倍以上の消費電力、都市部での大深度トンネルの影響で地価が下がることなどについては全く触れませんでした。
JR東海はリニア計画を無理やり推進するための都合のいい情報を出すばかりです。実験線の延伸工事で地下水が枯渇していることや、南アルプスの長大トンネルや都市部の大深度トンネル工事で自然環境、生活環境にどんな影響を与えるかなどについて情報を出していません。
リニア走行試験に抗議するリニア新幹線沿線住民ネットワークのメンバー
今はむき出しの軌道もやがてフードで覆われる
小規模な実験線車両基地。相模原では大規模に
★関連ページ
- リニア計画の凍結・再検証を求める〜沿線住民ネットが国交省要請と集会(2013/6/7)
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