役立たずの風力発電
〜千葉県設置の風車は惨たんたる状態〜
風車なのにブレード(羽根)がない
〜袖ケ浦海浜公園の風車〜
全国自然保護連合のメンバーは(2013年)6月17日、袖ケ浦海浜公園(千葉県袖ケ浦市)に行きました。“ブレード(羽根)のない風車”を見るためです。
この風車は、県が海浜公園のシンボルとしてつくりました。建設費は7000万円とのことです。国から補助金をもらって建設しました。運用開始は、開園と同時の2004年4月です。支柱(タワー)の高さは41m、ブレードの直径は29.7mです。
「人や生き物にやさしい地球環境づくりのための自然エネルギーを活用し、公園内の電力をまかなう」が売りでした。公園で使われる電力をつくりだすだけでなく、余った電力を東電に売ることになっていました。
ところがしょっちゅう故障です。そのため、維持補修費に毎年200〜300万円かかったそうで。そして、ついにブレードを撤去してしまいました。いまは支柱だけが残っています。
16基中13基のブレードを撤去
〜習志野親水護岸の風車〜
県は、同じ時期に習志野市芝園地区の親水護岸(習志野親水護岸)にも小型の風力発電機を16基設置しました。
街路灯に風力発電と太陽光発電を組み合わせ、自律で電力を得ることのできる「ハイブリッド照明灯」がふれこみでした。
ところが、いまは16基のうち3基しかブレードがついていません。残り13基はブレードを撤去しました。破損したからです。関係者は、「風力発電は維持管理がむずかしい。維持費がすごくかかる。採算はとれないし、野鳥などにも影響がありそうだ」と述べています。
ブレード(羽根)が撤去された袖ケ浦海浜公園の風車=2013年6月17日撮影
袖ケ浦海浜公園の案内板=2013年6月17日撮影
袖ケ浦海浜公園風力発電設備の案内=2013年6月17日撮影
袖ケ浦海浜公園発電所の説明=2013年6月17日撮影
習志野親水護岸の風車でブレードが残っているのは16基中3基だけ=2013年6月9日撮影
16基中13基は、ブレードを撤去し太陽光発電に取り替えられた
=習志野親水護岸、2013年6月9日撮影
ブレード撤去後=習志野親水護岸、2010年1月29日撮影
★関連ページ
- 自然公園内の風車計画に批判相次ぐ〜酒田市で風力発電市民集会(2017/10/10)
このページの頭にもどります
前ページにもどります
[トップページ] [全国自然保護連合とは] [加盟団体一覧] [報告・主張] [リンク] [決議・意見書] [出版物] [自然通信]