■「自然と環境を守る全国交流会」参加団体


三番瀬を守る連絡会









■三番瀬をめぐる動き

 三番瀬は、東京湾奥部に残る貴重な干潟と浅瀬である。多種多様な生き物が生息し、東京湾の“ゆりかご”となっている。浄化力も非常に高い。
 1993年に策定された三番瀬埋め立て計画は、埋め立て反対運動や30万署名、そして「これ以上埋め立てないで」という県民世論の高まりなどにより、2001年9月に中止になった。
 ところが、その三番瀬に再び危機が迫っている。森田健作知事が住民参加組織「三番瀬再生会議」を解散し、「干潟的環境の形成」という名で人工砂浜造成のスピードアップを図ると表明したからである。再生会議は知事の諮問機関であり、住民や環境保護団体の代表も委員に加わっていた。
 県は、再生会議に代わる組織として、行政が主体的に事業を進めるための新たな推進体制をつくった。また、その助言組織として「三番瀬専門家会議」を立ち上げた。しかし、この会議は知事の諮問機関ではなく、助言をするだけである。住民や自然保護団体の代表は排除され、6人の専門家だけで構成される。
 人工砂浜造成の対象は、市川市塩浜2、3丁目地先に広がる猫実川(ねこざねがわ)河口域である。その真のネライは、三番瀬に第二東京湾岸道路を通すことである。この道路は、埋め立て地は8車線の用地が確保されている。ところが、埋め立て計画が中止になったために三番瀬で中ぶらりんになっている。猫実川河口域だけはどうしても通さないと道路建設が不可能である。そこで、「干潟的環境の形成」などのマヤカシ言葉を使ってこの海域を人工砂浜にし、その造成工事の際に道路を埋め込むというものである。
 しかし、三番瀬の環境改善策で求められているのは、人工砂浜造成ではなく、三番瀬の貝類に甚大な被害をもたらしている青潮対策や、洪水時に行徳可動堰が開放されることによる淡水・汚泥・ゴミの一挙流入対策、さらには江戸川からの真水の常時流入をはかることである。これらの対策を三番瀬再生会議が提言し、船橋漁協も強く要請している。ところが、県はさぼりつづけている。
 「三番瀬を守る連絡会」を構成する9団体は、三番瀬の破壊を防ぎ、真の環境改善策を実現するため、さまざまな団体・県民と連携を深め、保全運動を強めることにしている。


■東日本大震災による影響

 東日本大震災による液状化で、「ふなばし三番瀬海浜公園」の施設はたいへんな被害を受けた。三番瀬船橋側の護岸や突堤も、一部が損壊したり湾曲したりしている。人工海浜(芝生の浜)も、亀裂が走ったり、陥没したりしている箇所がある。そのため、今年の潮干狩りは全日程が中止になった。
 当連絡会は、来年度は潮干狩りや観察会などが実施できるよう、年度内の補修完了を関係行政機関に要請している。


■自然の脅威に人知はおよばない

 前述のように、「ふなばし三番瀬海浜公園」前の人工海浜(人工砂浜)は、一部で陥没や亀裂が生じている。また、津波で大きくえぐられた箇所もある。
 この人工海浜は、県企業庁が、1979年から2年をかけて造成したものである。船橋航路と市川航路を結ぶ「分岐水路」として利用したところを埋めもどす際、もともとの干潟よりも土砂を高く盛った。ところが、数年のうちに波で土砂が削られ、砂浜がわずかに残っていた。その砂浜が、今回の大地震や津波でさらに削られたり、流出した。つまりは、自然の姿に戻ろうとする三番瀬の力強さの前に、人知はあっけなく敗れたということである。
 自然の脅威に人知はおよばない──。東日本大震災はこのことを痛感させてくれた。
 私たちは、三番瀬の人工改変(人工砂浜化)をなんとしてでも阻止し、“いのちのゆりかご”三番瀬を子々孫々の代に引き継ぐことにしている。
(2011年9月)
















三番瀬市民調査。県が人工改変の対象としている猫実川河口域の調査を2003年から続けている。



東日本大震災によって陥没した人工海浜



三番瀬の干潟は健在なり。潮が引くと広大な干潟が現れる。






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