南アルプスを自然破壊から守ろう!
〜 リニア中央新幹線計画は無謀だ 〜
連峰スカイライン反対連合 大西 将之
昨年発表されたJR東海の計画によると、リニア中央新幹線は現在のリニア実験線を経由して直線的に日本中部を横断して名古屋に至る路線が有力視されている。
この計画では、富士川とその支流である早川、そして大井川・天竜川を越すことになり、白根南嶺と赤石山脈中央部に長大なトンネルが建設されることになる。
5兆円(最終的には10兆円か?)の巨費を投じる採算性の問題は別として、東海パルプによって多少の観光開発が行われてきたとはいえ、今まで大規模な開発から守られてきた大井川上流の、原生自然環境保護地域に隣接し、特別保護地区の真下を通るようなトンネルは断じて許すことが出来ない。
具体的な路線計画は未決定だが、聞くところによると県道37号線の南アルプス市早川流域(新倉付近)では既に地質調査のためのトンネルが掘られているという。
赤石山脈は、中央構造線と糸魚川−静岡構造線など多くの構造線を内包しており、塩見岳〜荒川岳間の山頂付近の大崩壊を見ても分るように、地質的にも極めて不安定な地域である。このような地域に大規模な工事が持ち込まれれば生態系に多大な被害を与えることは明白である。これはリニア特有の問題ではなく、仮に現行の新幹線方式だとしても同様のことである。
一般的に土木工事は、完成した時の形だけでなく、工事のために周辺が大きく破壊されることが多い。本件の場合も、ただトンネルが出来るという事だけではなく、工事のために早川や大井川沿いに工事用車輌が出入りするようになったら大変である。大井川上流域は東海パルプの私有地で、現在は二軒小屋まで林道が通じて観光・登山者向けにマイクロバスが入っているが、この道に大型ダンプや工事車輌が入るようになったら周辺の環境は一気に悪化する。残土処理の問題も避けられない。
今回のネットワーク発足を機会に、各都県の有志と連絡をとりながら、JR東海・環境省・地方自治体・地権者や一般市民への働きかけなどを含め、具体的な調査や行動を始めていきたい。
(2009年4月)
★関連ページ
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