■「自然と環境を守る全国交流会」参加団体


リニア・市民ネット







■概要

 「リニア・市民ネット」は、リニアについて検証し、それを問い直す市民団体として2009年4月に発足した。東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、千葉など、リニア中央新幹線(計画)や成田リニア新幹線(構想)の沿線の人々と賛同団体などが参加している。
 ネットでは、リニア中央新幹線について、@JR東海の財源・採算性、A自然・環境への影響、B技術・エネルギー、C電磁波の影響、D地域の経済性、などあらゆる角度から検証し、沿線各地での学習会やシンポジウムの開催、ボーリング調査地・実験線の現地見学などの活動を続けている。


■主な活動経過


  ◇2009年2月 「リニア問題の学習会と市民の集い」(山梨県甲州市)
      3月 リニア・市民ネット結成(山梨県甲州市)
      7月 学習会「リニア中央新幹線計画を考える」(長野県松本市)
      8月 「大鹿村見学ツアー」(長野県大鹿村)
      9月 講演会「リニア鉄道は問題山積─リニア中央新幹線と成田リニア」(千葉県浦安市)
      10月 学習会「新政権に望む リニア中央新幹線計画の検証」(東京都)
  ◇2010年1月 学習会「電磁波とリニア」(長野県松本市) 
      3月 シンポジウム「リニア中央新幹線は必要か?」(東京都)  
      8月 「リニア山梨実験線 見学ツアー」(山梨県都留市、笛吹市、早川町)
      9月 シンポジウム「みんなで話そう リニアは必要か?」(山梨県甲府市)
       11月 「飯田・リニア新幹線学習会」(長野県飯田市)
  ◇2011年3月 シンポジウム「リニア中央新幹線は必要か?」(名古屋市)
      7月 緊急シンポジウム「どうする原発! どうするリニア!」(神奈川県相模原市)


■リニア中央新幹線計画の中止を求める

 国土交通省の交通政策審議会・中央新幹線小委員会は今年5月12日、南アルプスを貫通する直線ルートで東京と大阪を結ぶリニア中央新幹線計画を妥当とする答申を行った。福島原発の事故が収束にほど遠く、国民に省エネへの協力を呼びかけている最中にである。そこでは、リニアのエネルギー源について議論された形跡がまったくない。にもかかわらず、国土交通大臣は時を経ずしてJR東海に対し、リニア中央新幹線の建設を指示した。
 リニア中央新幹線は、東海道新幹線の3倍といわれるエネルギーを必要とする。それは原発数基分に匹敵するエネルギーの量となる。すでに、柏崎原発は大地震に襲われ、浜岡原発も、東海大地震が今後30年間に起こる確率が87%という高い確率であり、その日が刻々と近づいていると指摘されている。福島原発の惨状を見るにつけ、脱原発依存、再生可能エネルギーへの転換を急ぎ進めていかなければならない。このような現状の中、多大なエネルギーを必要とするリニア中央新幹線計画は抜本的に見直すべきである。
 また、リニア中央新幹線は、全国新幹線鉄道整備法にもとづいているとはいえ、民間プロジェクトである。その民間プロジェクトに、自治体の駅建設費負担という形で市民の税金が使われる。そうであるならば、自治体が負担しなければならない合理的な理由と費用対効果について、十分な説明がされたうえで市民の合意が求められねばならない。国においては、その関わり方や責任について明らかにすべきである。
 リニア・市民ネットは、JR東海と国、沿線自治体に対し、今後実施する調査などについて積極的な情報公開を求めていく。また、リニア中央新幹線がかかえる問題点を多くの国民に知ってもらい、無謀な計画を中止させるために運動を続けていくことにしている。「南アルプスにトンネルを掘らないで」と題した署名もとりくんでいる。
(2011年9月)








リニア中央新幹線の試掘現場を見学=2010年8月、山梨県早川町






「リニア中央新幹線は必要か?」と題したシンポジウム=2010年3月、東京都内



「リニアは必要か?」と題したシンポジウム=2010年9月、甲府市内






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