■「自然と環境を守る交流会」の特別報告(要旨)
原発ゼロをめざす官邸前行動
首都圏反原発連合 原田裕史さん
私たち首都圏反原発連合(反原連)は、首相官邸前の歩道で抗議行動を3年半以上つづけている。
2011年3月、東京電力福島第一原発で事故が起きた。首都圏反原発連合はこの年の9月に立ち上がった。
そのころ、首都圏には小さなデモをする集団がいくつもあった。主題は同じでも、思い思いのやり方で街頭に出てデモンストレーションする。その人たちで集まって大きいデモをやろう。そういうかたちで集まったのが首都圏反原発連合である。
当時、原発事故から1年もたっていないのに、再稼働に向けて動き出した。ところが、マスコミはそれをほとんど報じない。社会の雰囲気も、原発にたいする怒りはあるが、どうしたらいいかわからないという状況であった。
そういうなかで、2012年3月から首相官邸前で抗議行動をはじめた。最初のころは人数がすごく少なかった。ところが6月に入ったら、一気に人数が増えた。野田首相(当時)が再稼働の話をしてからである。そのあとは倍々ゲームで1万人、4万人と増え、官邸前の道路があふれるという事態になった。
その過程で、国民の支持をどのように得るかということを模索しつづけた。私の意識では、大衆的支持を得るということになる。官邸前行動がはじまったときから、そのことをずっと考えていた。
合意の結果、シングルイシューとよばれる流儀を取り入れた。原発問題をアピールするデモンストレーションなのだから、テーマを原発問題にかぎるということである。「原発以外の問題は別の機会で訴えてください」というかたちにした。原発問題だけが目立つかたちにする。誰がどこからみても原発の問題を訴えているということをはっきりさせる。そういうわかりやすさを前面に押し出していった。
このやり方は、ずっと社会運動をやってきた人たちから批判される面もあった。しかし、幅広い国民の支持を得て、運動を大きく広げるための手法として正しかった。私はいまでもそれを確信している。
参加者がいちばん多くなったときの人数は20万人である。それ以来、国会前の周辺はデモをおこなう場所というふうに定着してきたと思っている。その道筋をつけることができたのが、いちばん大きな成果だったのではないか。官邸前行動がなかったら、たぶんマスコミはスルーしたまま、再稼働がどんどん進むような事態になったと思う。
自然と環境を守ることは、原発に反対する理由と重なると思う。官邸前行動へのご協力をよろしくお願いします。
原田裕史(ひろふみ)さん
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