ジュゴンの生息地を破壊する「現地技術調査」の即時中止を
求める決議
ジュゴンの生息地を破壊する「現地技術調査」の即時中止を
求める決議
2002年7月、日本政府は沖縄県名護市・辺野古沖のリーフを埋め立て、米軍普天間飛行場の代替施設として全長2500mもの巨大な軍事空港建設を決定した。この海域は、海棲哺乳類ジュゴンの世界北限の生息地であり、絶滅の危機に瀕している北限のジュゴンへの重大な影響が危惧されている。
2003年4月8日、政府は突然に代替施設建設予定地、辺野古沖の「現地技術調査」に着手した。「調査」は、総費用9億5千万円をかけて、空港建設予定海域の地形、海象、気象、地質を調査するという大規模なものである。これは「調査」に名を借りた事実上の代替施設建設工事の強行着工であり、ジュゴンの追い出しを図るものである。
そもそも環境影響評価方法書を作成する以前に、このような大規模な環境破壊が心配される調査を行うことは、環境影響評価法の精神を愚弄するものであり、強く非難されるべきものである。
政府は5月から、リーフ内外の岩床に63か所ものボーリングをする地質調査やジュゴンに悪影響を及ぼす弾性波調査を開始する予定であったが、地元や国内外の研究者などから疑問や抗議の声が上がったため、地質調査前に急きょ「地質調査のための潜水調査」等を行った。その調査結果について地元紙は、「ボーリング予定地点、63か所中、40か所が環境保全上の問題でボーリング地点の変更を余儀なくされるだろう」と報じている。
まさにこの「調査」がジュゴンの生息する生態系に大きな悪影響を及ぼすことが証明されたのである。
私たちは現在すすめられている「普天間飛行場代替施設の建設に係る現地技術調査」の即時中止を強く求めるものである。
2003年9月6日
全国自然保護連合
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