新石垣空港カラ岳陸上案の見直しと白保サンゴ礁海域の
西表国立公園(海中公園地区)への早期編入を求める
新石垣空港カラ岳陸上案の見直しと白保サンゴ礁海域の
西表国立公園(海中公園地区)への早期編入を求める
琉球諸島はこの5月、世界自然遺産の国内侯補地の一つとして選ばれた。その検討会では、琉球諸島の学術的価値が高く評価される一方、保護担保措置や開発計画との整合性が極めて不十分であることが指摘された。
白保サンゴ礁はかつて、世界遺産登録に重要な役割を担うIUCNが「世界遺産的価値がある」と評価した海域であり、今回も登録箇所の一つとして有力な地域である。
このようなエリアに巨大な人工構造物を建設しようとする新石垣空港計画(力ラ岳陸上案)は、世界に誇る掛け替えのない自然財産の価値を自ら減じる狂気の沙汰というしかない。世界遺産検討会で指摘された課題の象徴的な事例であり、沖縄県知事が真に琉球諸島の世界自然遺産登録をめざすなら、新石垣空港力ラ岳陸上案を直ちに撤回する必要がある。
しかし沖縄県は、昨年末に新石垣空港環境影響評価方法書の駆け込み縦覧を強行して以降、2005年度事業採択に向けて猛進している。その後、アセス対象のあらたな施設や実施区域の増大を次々と明らかにするものの方法書の追加縦覧などはいっさいしない。また、今年度から導入された合意形成手続き=パブリックインポルブメントもお手盛りのメンバーを委員にして形式的に行うだけで「住民の合意が得られた」と結論。この6月からは地権者へ向けての同意取り付け作業に入っている。
私たちは位置選定中の2000年2月にはじめて新石垣空港力ラ岳陸上案に反対する決議を採択した。その後も大会や総会ごとに繰り返し力ラ岳陸上案の見直しを決議し、沖縄県に同案の撤回と代替案の検討を求めてきた。しかしながら沖縄県は私たちの声に耳を貸さないだけでなく、環境影響評価法の精神をないがしろにする形式だけの手続きによって新石垣空港カラ岳陸上案を強行しようとしている。
私たちはここにあらためて新石垣空港力ラ岳陸上案の見直しを強く要求するとともに、白保サンゴ礁海域の西表国立公園(海中公園)への早期編入を強く求めるものである。
2003年9月6日
全国自然保護連合
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