有事法制に反対する決議
有事法制に反対する決議
政府が秋の臨時国会で成立させようとしている「有事法制関連三法案」は、私たちの自由や権利や日常生活を、戦争に協力させるために大きく制限し、あらゆる分野で軍事を優先させる悪法である。
戦争そのものが最大の自然破壊・人間破壊であることは言うまでもない。第二次世界大戦の反省に立って、私たちは「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ことを定めた憲法を持つにいたった。憲法で放棄した戦争を準備するための法律が憲法違反であることは明白である。
法案のひとつである自衛隊法の「改正」案には、自衛隊の活動を円滑に行うために、すでに存在するいくつもの法律について、適用除外や特例規定が多数盛り込まれている。私たちがこれまで自然を守るために活用してきた自然公園法、海岸法、河川法、森林法などによる規制も、自衛隊の行動については全面的に撤廃され、国立公園の特別地域における工作物の新築、木竹の伐採、土石の採取なども、自衛隊は「通知」するだけで作業が可能となる。これまで自然を守る運動などによって、かろうじて守られてきたわが国の貴重な自然が、いつ破壊されても当然のような状況を作りだす法案は断じて認める訳にはいかない。
私たちは日本政府に対し、政府が日本国憲法に基づく平和外交に徹し、武力衝突を絶対に避けることを要求し、大規模な自然破壊を合法化する「有事関連三法案」を撤回し、廃案にすることを求める。
2002年9月29日
全国自然保護連合
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