結成44周年を迎えた出羽三山の自然を守る会

〜2014年定期総会〜







 「出羽三山の自然を守る会」の2014年定期総会が2014年2月23日、山形県鶴岡市の勤労者会館で開かれました。
 出羽三山は月山、羽黒山、湯殿山の総称です。古くから山岳修験の山として知られています。「守る会」は、月山八合目弥陀ヶ原(みだがはら)から西川町志津へ通ずる道路計画の反対運動をきっかけにし、1970年11月に結成されました。以来、山形や東北の自然を守るため、さまざまな活動を旺盛に進めてきました。
 総会には山形大学の学生も出席しました。


◆原点に戻り、国会議員の淘汰を

 会長の太田道徳さんは88歳です。まだまだ元気です。あいさつでこう述べました。
 「最近の世情はめまぐるしく変わっている。秘密保護法が強行成立された。憲法改正の動きも強まっている。いったい国会はどうなっているのか、と思う。できれば国民みんながもう一度原点に戻り、国会議員を淘汰(とうた)することが必要ではないか。いろいろな問題が起きているので、会員のみなさんにもお力添えをお願いしたい。きょうの総会で出された意見を集約し、会の活動をさらに進めていきたい」
 2013年活動経過では、月山パトロール、親子自然教室、大人の自然観察会「ブナ林の四季」、月山弥陀ヶ原湿原の保護、東北自然保護のつどい、モニタリングサイト1000(重要生態系監視地域モニタリング推進事業)、最上小国川ダム、再生可能エネルギーなどにかんするとりくみが報告されました。
 2014年運動方針では、とくに力を入れたいこととして、磐梯朝日国立公園「月山」を中心とした自然環境保全や再生可能エネルギーのとりくみなどが提起されました。


◆最上小国川ダム計画をめぐって

 討論では、最上小国川(もがみおぐにがわ)穴あきダム計画が話題になりました。ダム建設に反対する小国川漁協に対し、山形県がダムに賛成しなければ漁業権を認可(更新)しないと脅しをかけたからです。そのため、沼沢勝善組合長が2月10日に自殺しました。
 「守る会」の2014年運動方針にはこう書かれています。
    《本県でも最上小国川ダム計画を不当なやり方で強行しようとしています。県農林水産部水産課は、県土整備部のダム計画が川の環境に影響を与えないようにチェックする役目を担っている部署であるはずなのに、不当にも小国川漁協に対してダムに賛成しなければ漁業権を認可しないと言わんばかりの脅しをかけました。本来、漁業権の認可に県が条件を付けることはできないのです。しかし漁協幹部はぶれることなく方針を貫き、最上小国川の清流を守る会の取り組みや真実に気付き始めたマスコミの追及で、漁業権は認可されました。しかし県の不当な脅しは、最上小国川漁協の沼沢組合長を自殺に追いやるという悲劇を招きました。私たちは沼沢氏の遺志を引き継ぎ、今後は不当で理不尽なことがおこなわれないよう注視していくことや、運動をいっそう強化していくことが必要です。》
 このほか、「自然がどんどんすたれている。とくに内陸部がひどい。道路が次々とつくられている。なんとかしなければ、と思う」などの意見が活発にだされました。




出羽三山の自然を守る会の2014年定期総会であいさつする太田道徳会長。
右は佐久間憲生理事長=2月23日、鶴岡市







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