■「自然と環境を守る全国交流会」参加団体


北区・自然保護の会







 北区及びその周辺に残された自然環境を破壊から守り、保全するとともに、新たな自然環境を再生させるための活動を、区内団体と連携して行っている。


■荒川・水辺の自然地保全・再生

 赤羽地区の荒川河川敷には、1996年に策定された荒川将来像計画地区計画の中で、北区が野球場7面の整備を計画した。当時、河川法改正(1997年施行)に先立ち、国交省荒川下流河川事務所(当時建設省荒川下流工事事務所)は河川行政に市民の意見を反映させる場として、各市区に「荒川市民会議」(市民・河川管理者・自治体で構成)を設け、この野球場整備計画も市民会議の検討対象となった。
市民側は市民会議の場で、この野球場整備計画に対し異議を唱え、野球場は6面として水際部を広く取り、1998年、水辺の自然地を保全・再生させる案を提言した。結果として野球場7面は変わらなかったが、配置を詰めて水際部を広く取るよう、配置計画の変更に至った。
 その後、2001年頃より市民側は現地の自然環境のデータを取り続け、継続的な維持管理の組織体制を作ることにより、ほぼ市民の要望通りの自然地の再生整備が始まった。現在は、野球場と水際に挟まれた河川敷地はすべて自然地化され、「北区・子どもの水辺」として多様な生物が生息する貴重な空間となっている。


■豊島地区の生活環境・まちづくり

 1999年、新田豊島主要道路と隅田川渡河橋(北区画街路第5号線)の建設計画に対して、自動車公害や交通事故、地域空間の分断などの環境悪化を心配した地域住民が反対運動を始めた。この計画は撤回できなかったものの、都市計画決定の付帯事項として「地域住民の意見に対しても十分検討を行うこと」が付された。そこで、豊島地区の住民が2001年に「住みよい豊島をつくる会」を結成し、以来、豊島地区の生活環境改善のための活動を続けている。
 新田豊島主要道路建設に伴う自動車交通の変化に伴い、大気汚染や交通安全などが問題となるため、大気汚染自主測定運動への参加や、生活道路の横断歩道改善の要望などを行っている。
 また、道路計画は周辺の都市再開発に伴う交通を処理するために計画されたものであり、道路周辺では大規模な集合住宅や工場ビルなどの建設が進んでいる。これに伴い、風害が発生するようになり、自転車や歩行者の通行が危険な状態になっている他、屋根の庇が飛ばされて隣家まで飛んでいくという被害も発生した。そのため、2006年に風害対策の陳情を北区議会に行い、採択された。さらに、検討のためにはデータが必要と考え、自主的な風害対策調査を計画し、風向風速計を購入した上で、新豊橋南交差点付近の会員宅に設置して2010年から風の観測を行っている。


■北区の各種計画に対する要望・提言

 北区の自然環境やまちづくりに関する各種計画が策定・改定される時には、計画案に対する要望・提言や、検討会の傍聴などの活動を行っている。
 とくに、公共事業に直接関係する、基本計画と都市計画マスタープランについては、2009〜2010年に改定が行われたため、区内関連市民団体にも広く呼び掛けて要望を集約し、検討会での働きかけを行った。
(2011年9月)




2005年に開園した「北区・子どもの水辺」





市民による野球場6面案(上)と水辺の自然地整備計画案(下)



水辺の自然地拡張整備計画(拡張区域2010年開園)



新田豊島主要道路と周辺都市再開発



風向風速の自主観測






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